子供の命を守るためには、チャイルドシート(以後:CRS *1)の使用が不可欠だと唱えるタカタ株式会社は、過去に幾度となく専門家向けに勉強会を開いて啓蒙活動を行ってきました。そのことをうけ我々も専門誌を介して、CRSの必要性を訴えてきました。
しかし、現時点においてもCRSの使用率があがらないのに驚愕です。警視庁とJAF調(2010年)べによると、
A56.8%
B36.5%
Aは子供が同乗する事故でCRSを使用、しかし適正に使用されていたのはBという数値にがく然とします。
普及が進まない背景には、CRSの装着の難しさ(面倒さ)があげられています。従来型のCRSには、
1汎用型
2非汎用型
があり、既存のシートベルトを併用して装着する1は車種を選ばない利点はありますが、大の大人(男)が適正範囲(装着後の稼働量3センチ以内)で固定するにも苦労するという難点があります。
他方2は、アンカー(車両構造上)の国際規格化(ISOFIX)に基づいて固定、一部シートベルト併用で装着する仕様で、容易な取り付けの利点はありますが、車両とCRSのマッチング(適合認定)という難点があります。
ユーザー側からすると、1と2の良いとこどりしたCRSの市販が望ましいところです。
そこで登場したのがタカタ株式会社より発売される 2を進化させた
3「takata04-ifix」
です。
実際に装着を体験しましたけれども、じつに簡単です。3はベースシートと本体のセパレート構造でできていて、まずはベースシートをISOFIXのロアアンカレッジにはめ込んで、サポートレッグ(従来のトップデザーの役割をする)の高さを調整します。コレで1で煩わしかったシートベルト併用の固定で犯すミスユーズは低減されます。本体は所定の位置に置き押し込めば、カチッと音がしてロックインジケータ部の色が変わり、適正に装着されたことがわかる仕組みです。
実に イージ! です。
CRSの普及を目指し2012年7月1日以降は、ISOFIXバーの標準装備が義務化されます。と同時に、 3のようなCRSが各メーカーから発売されるでしょう。今後はCRSの装着時の難点やミスユースをエクスキューズにせず、賢い保護者はCRSを使わないというような「不作為の作為」に陥らないでください。AJAJでもCRSの使用率増加を願うばかりです。
*1:CRS=チャイルド・レストレイント・システム(年少者拘束装置)