東日本大震災活動 斉藤慎輔レポート

報告日:2011年7月11日

○支援/活動概要

東日本大震災活動 テント3月25日~4月4日に最初に被災地に支援のために入って以降、今回で10回目となる支援に行ってきました。6月30日深夜発、7月5日戻りの4泊6日の行程でした。

残念なことですが、私の手元にも被災者のための支援物資が集まらなくなってきているので、今回は災害ボランティアセンターを通じてのボランティア活動を主体に行ってきました。

ボランティアセンターへの被災者のニーズを知ることで、その地の復旧状況をおおよそ知ることもできるので、日を変えて名取市災害ボランティアセンター、東松島市災害ボランティアセンター、南三陸町災害ボランティアセンター、気仙沼市災害ボランティアセンター本吉支所の順でボランティア活動をしてきました。

○今回訪れた場所

宮城県岩沼市、名取市、塩竈市、東松島市、南三陸町、志津川、歌津、気仙沼市本吉町、岩手県陸前高田市など。

初日は、6月11~12日にこれまでも泥だし清掃作業を行ってきた名取市閖上小学校の作業の残りを、前回と同じく知人とその仲間のメンバーで行い、すべての教室、部屋、廊下、外回りの泥だし、清掃作業を終えることができました。

なお、名取市災害ボランティアセンターは、ボランティアニーズも減ってきたことから、7月から金曜日、土曜日の週2日だけの活動になっていました。また、参加には事前予約が必要となりました。

2日目は東松島市へ。2日目以降のボランティア活動は私一人での参加です。ここも災害ボランティアセンターへのニーズは落ち着いてきているようで、一時はかなり順番待ちをしてもらっていたという個人宅の屋内の泥だしなどもほぼ終えたようです。今回与えられた作業は住宅地内の道路脇側溝の泥だしでしたが、土曜日ということもあり、団体で訪れていたボランティアも多く、予定より早く仕事を終えてしまうような状況でした。こうしたことから、東松島市災害ボランティアセンターは7月から月曜日を活動休止日としています。

3日目は南三陸町へ。ここの災害ボランティアセンターは、ガレキだしから泥だしまでボランティアのニーズはまだまだ沢山あるとのこと。とくに今回訪れた7月3日(日)は、翌日から漁協の市場が稼動ということで、漁港の市場周辺のガレキ処理をイッキに行うような体制で大勢を送り込んでました。

もっとも、私は今回ここではガレキの片付けや泥だしではなく、これまでで始めて、被災現場から集められてきた写真の清掃作業を担当することに。これはこれでなかなか根気と丁寧さのいる作業で、ボランティアの重要性もまた再確認することになりました。

4日目は気仙沼市災害ボランティアセンター本吉支部へ。こちらでは、個人宅(農家)のガレキ拾いと仕分け、泥だし、清掃などを行ってきました。業者の重機も同時に作業しているなど、他地区の災害ボラティアセンターでの作業とは異なる環境でしたが、それぞれが独自の運営を行っているため、作業道具の提供から作業時間、内容まで異なるものとなることを理解しておく必要があります。

5日目は、主に岩手県南部の復旧、復興状況などを再び視察した後、帰路につきました。

○支援物資について

宮城県岩沼市在住のGPライダー伊藤真一さんを中心とする有志や仲間内により自ら購入した物、また協力者のブログ上などで募集して集められた物資と、私の周辺(個人及び企業)で協力していただいている物資です。

しかし、震災発生から4か月近くを経て、今後、支援をどうしていくべきか考慮すべき時期にきています。

物資自体も集まらなくなってきているのが実情です。被災者が必要とされる物も少なくなってきてはいますが、すべてを津波で流された上に仕事も失ったような人達には、まだ支援物資を必要としている人も残されています。とくに、避難所などに入らず親戚宅や知人宅などに避難していた人達には、行政を通しての支援物資は当初からほとんど届いてません。こうした人達を含め、自立への意欲を失わない程度に(頼りきるような気持ちにさせないように)支援は持続していくことができればと思います。

○被災地の状況

津波の被害を受けた海岸沿いの地域でも、復旧への動きが早いところと、いまだ時が止まっているかのように見える地域や地区など、大きく明暗が分かれているように見受けます。また避難所と在宅被災者でも支援に差が生じているのは、これまで繰り返し報告してきたとおりです。仮設住宅への入居でも、抽選が公開で行われていない(ということ自体が驚きですが)地区などでは、平等公平ではないといった不満の声も多く聞く事になりました(真偽は確かではありません)。

前回報告したように、気温が高くなってきたことで、地域、場所によっては積み上げられたガレキやヘドロから強い異臭の発生や、大量のハエの発生が見受けられます。現地の方はもちろん、訪れる人も健康被害にはこれまで以上に気をつけることが必要と思われます。