シートはとても大事なパーツ
先週のことですが、自宅から電車を4回乗り換えて、えっちらおっちら(って死語?)訪ねてきました。マラソンで有名な青梅の近くでクルマのシートを製造しているタチエス社。
あまりご存知のかたは少ないかと思いますが、タチエス社は60年以上も前に立川スプリングとして設立されたメーカーです。TACHI-Sと書くとおり、立川のタチとスプリングのSで改名してタチエス社となったそうです。ロゴがスプリングなのがわかりますね。86年の改名と同時にUS進出と一部上場を成し遂げています。
現在は独立系サプライヤーとして、14か国に66もの拠点を持っていますが、ビジネスのメインは日本のメーカー。特にホンダと日産が多いようです。GT-Rのシートも造っているそう。
こちらはシートのフレイム。
あまりこういうのは眼にしませんよね。軽量であることがもちろん大切です。
こちらが完成形。
将来の自動運転などなどに向けた、シートメーカーとしての取り組み研究もされていました。例えば座っているドライバーに対してシグナルを送るとか、いろいろです。
こちらはテストに供されるダミー君たち。
この台車にダミーを座らせたシートを組んで、ショック時の強度とかをテストします。
ただ”強固”であるのではダメで、巧く変形して乗員を護ることが必要です。
シートだけを作るメーカーでも、ここまでの試験設備を持たねばなりません。それも世界各地で。たいへんですね。
同時に訪問したメンバーのなかから「テストを体験してもらう」抽選に当たったので、ダミーの代わりに座るのかと思ったけど、いくらもう先が短いじじぃでもそりゃ無しでした。で、体験できたのがこちら。
世界中のいろいろな路面からのショックと振動がシミュレイトできる試験装置。ベルジャンロードを体験しましたが、ラリーカーに比べればはるかにラクチンでした。(笑)
そしてこちらは工場内部と製造過程。
車体の製造に比較すると、かなり手作業が残されています。確かに、ウレンタンフォームを表皮となるレザーやクロスで包むのは、機械ではできない作業です。
熟練した工員さんが素早い作業で鮮やかに完成させていきます。
僅かな皺ができたところにはアイロンをかけて滑らかに修整していきます。
こんなのはロボットでは絶対無理でしょうね。
普段なかなか見れないものを見せてもらえました。私は無いですが、腰痛持ちのかたなんかは、シートってほんとに大事なものだと思います。