旭硝子見学記

開催日:2001年11月10日
場 所:旭硝子
手付瓶 3-4世紀 シリア
手付瓶 3-4世紀 シリア

先日、旭硝子で自動車用ガラス製造の工程を見学するチャンスがあった。まず、ガラスの生い立ちだが、意外にその歴史は古い。何と紀元前3000年頃(日本では縄文時代)のメソポタミアかエジプト付近で発見されたらしい。

フェニキアの商人が浜辺で夕食の支度のために、運んで来た硝石(ソーダーの塊)でかまどをつくり、火を炊いたら、その時砂浜の白砂と溶けだしたソーダーが反応して透明な固体が生れたと言われている。その他に、銅の精練の時にガラス物質が出来たと言う説や、陶器に使われる釉(うわぐすり)が発展したと言う説などがあるそうだ。

ガラスの名称はオランダ語のGlasから

日本では古くは、瑠璃(るり)とか玻璃(はり)と呼ばれていたが、これはインド、中国から渡来したもの。16世紀に入ってからはビードロ(ポルトガル語)やギヤマンと呼ばれたがこれはオランダ語のDiamantがなまったものと言われている。日本語で“硝子”と表現するが、これは原料に硝石を使うので当てたもので、明治の初年、官学の“品川硝子製造所”で使ったのが始まりといわれているそうだ。

ガラスの原料

さて、硝子の原料だが、日本では愛知県、岐阜県、大阪府などが主生産地の“けい砂”が主な材料だ。これにソーダ灰、ほう硝、長石、ドロマイトなどが使われるが、それにカレットと呼ばれるガラス屑を40%加える。

原料は安いものの、製造設備は金のかかるシステムだ。材料を1600度で溶解させその後、板ガラスにするが、一般的にはフロート法で生産されている。

1) フロート法

溶かしたガラスを溶かした金属の上に浮かべる。自然に面が平らになり大きな平面のガラス板が出来る。

2) ロールアウト法

溶かしたガラスを上下2本のロールの間を通して模様などを付けるもの。