2022年6月15日(水)、首都高速埼玉新都心線の新都心トンネルにおいて、トンネル防災設備点検の見学会が、首都高速道路株式会社の協力により開催されました。
■トンネル火災の危険性
見学の前に、トンネル内での車両火災の危険性について説明を受けました。
車両火災の煙は有毒で危険であり、しだいにトンネル内に充満してきて呼吸困難に陥ったり、また爆発の危険性もあるため、速やかに避難することが重要とのこと。
また、トンネル内に煙が充満すると視界が非常に悪くなり、視界を失って停止車両に追突して死亡事故が起きた事例もあるそうです。そして、煙は基本的にトンネル出口側に向かって充満するため、必ず火災車両の手前で停車し、絶対に追い越してはいけない、とのことです。
そのため、通行止めの赤信号や警報版が掲示された場合には、本線上であっても車を道路端に停止し、車を降りて徒歩で付近の非常出口から避難することが重要です。
■トンネル内の防災設備点検を見学
その後本線上に移動し、新都心トンネルの防災設備点検を見学しました。この点検は、深夜の時間帯に本線を通行止めにし、1年に1度実施しているそうです。
今回は実際に本線上を徒歩で移動しながら、トンネル内の防災設備やその点検の様子を見学することができました。
これはトンネル内の信号です。このように、トンネル内で赤信号が点灯していた場合でも、緊急車両の通行を妨げないよう道路端に停車し、車を降りて近くの非常口から避難してください、とのことです。
続いて、スプリンクラーの点検の様子と、放水動作確認の様子を見ることができました。
クレーン車でスプリンクラーの点検整備をしたあと、実際に放水を実施し、動作を確認しました。
それから、トンネル内に配備されている泡消火栓の点検と、実際の放水を体験することができました。
そのあと、トンネル内の非常口から、地上までの避難経路を徒歩で移動しました。こちらの非常口から地上に避難します。
地上出口の手前には、出口のゲートを開けるレバーがあります。これを押下するとゲートが電動で開く仕組みです。
最後に、現在開発中だという車内まで聞こえる拡声放送のテストに立ち会うことができました。走行中の車内でもきちんと音声が聞き取れる仕組みを開発しているとのことでした。
■まとめ
今回は、首都高速の道路を実際に歩きながら、普段見ることのできない防災設備の点検を見学しました。トンネル災害は、いったん発生すると重大な事故につながる可能性が高いため、多数の防災設備が配備されていることや、それらがきちんと動作している様子を見ることができました。
■参加者(敬称略) |
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山田弘樹、会田肇、森川オサム、鈴木ケンイチ、鈴木直也、工藤貴宏、菰田潔、塩見智、日下部保雄、佐藤耕一、吉田由美、内田俊一、西村直人、松田秀士 |