日本自動車ジャーナリスト協会のイベントのなかで最大のものが、年1回、秋に開催している「母と子のラクラク運転講習会」です。2007年は9月1日の防災の日に行いました。これまで安全運転講習会は8回開催していますが、今回の舞台となったのは東京・江東区の東京国際展示場「ビッグサイト」の西2ホールとその隣の屋外駐車場です。初めての開催場所なので不安いっぱいでしたが、敷地は広く、交通の便もいいのでお母さん方には好評でした。
いつもと同じように自動車雑誌を中心に執筆活動しているAJAJ会員がボランティアで参加し、講習会を行いました。また、各自動車メーカーは講習に使うクルマを提供してくれるだけでなく、運営スタッフなども派遣してくれたので非常にありがたかったです。協賛はタイヤメーカーのブリヂストンでした。
第一陣は朝の9時スタートです。小雨が降っていましたが、開始早々にやみ、日も差してきました。受講資格は小学6年生までのお子さんを持つ母親とその家族です。が、低学年の子どもが多く、就学前の幼児もいました。お母さんを対象とした講習は盛りだくさんです。最初にドライビングポジションを取ってもらいましたが、ベストポジションとかけ離れた人もかなりいました。私の担当は、車庫入れと縦列駐車です。簡単そうですが、普段はクルマを運転しないペーパードライバーも多く、四苦八苦している人を数多く見かけました。何台かのクルマを用意したのですが、人気が高かったのは大きなクルマです。あまり運転する機会がないからでしょうか? 車庫入れがラクなコンパクトカーを凌ぐほど人気がありました。
最初は自信なさげでしたが、次第にうまくなっていきます。コツをつかんだ後は、目を輝かせて次のステージ、ABS体験に向かう人が多かったようです。話題にのぼったのは、SRSエアバッグの展開デモンストレーションでした。エアバッグが開くときに発する凄い音に圧倒されたようです。なかには泣き出すお子さんがいたほど迫力満点でした。また、話題になりつつあるAED(自動体外式除細動器)の使い方講習では多くのお母さんが熱い視線と耳を傾けていたようです。滅多に体験できないロールオーバーシミュレーターを用いた横転体験も好評でした。
お母さんだけでなく子どもたちにとっても有意義な時間だったようです。分かっていそうで分からなかった自転車の正しい乗り方を知ることができ、得意そうでした。また、ペダルカーなどの遊具をそろえたキッズコーナーも人気がありました。もちろん、最後にゲットした記念品にも満足したようです。
会場にはベテランの医師がいたし、乳幼児のために保育士も待機していました。こういった配慮もあり、お母さんだけでなく付き添いできたお父さんからの評判も上々でした。これはアンケート結果にも表れています。ただし、もう少しやりたい、と言う声も耳にしました。運転講習は多くの人が楽しかったようです。
終了してしばらくすると雷が鳴り、大粒の雨が降ってきました。危機一髪です。大きなトラブルはなかったし、雨になる前に滞りなくスケジュールを消化できたのでホッと胸を撫で下ろしました。