<最新のチャイルドシートを確認>
講義の後は実際に用意された製品に触れながら、その使い勝手を確かめ、疑問点などを技術者の皆様に伺う時間がありました。
ISOFIXは台座とシートが分かれており、まず台座をシートの座面と背もたれの境目に装備されているアンカレッジにつなげます。カチッと音がすれば、しっかり固定された合図。次に台座とシートをはめ込みますが、これもカチャッと音がするのでわかりやすいです。両方の取り付けでも、3分もあれば余裕で完了。装着後に手でゆすってみても、ビクともしませんでした。これなら力の弱い女性でも、難なく正しい装着ができて安心です。これはぜひとも、早く普及して欲しいと実感しました。
その他、従来型のチャイルドシートでは取り付けの複雑さが軽減され、シート生地やカラーなども快適さとデザインを両立しています。そして学童用のジュニアシートでは、身長に合わせた収縮がしやすい工夫などに感心。こうして最新の製品に触れて理解することで、さらにユーザーへのアドバイスが的確にできることになるため、これは定期的に行っていきたいと感じました。
<エピローグ>
勉強会終了後には、タカタ株式会社とAJAJとの懇親会が行われました。今度はざっくばらんに、意見交換をする場です。私はそこでの高田会長のお話や、スタッフの皆様との会話の中で、やはり最も苦労しているのは「啓蒙」の部分ではないかと感じました。いくら高い技術の製品を開発し、法で使用を義務化しても、当事者である親たちが本当に子供を守りたいと思い、真剣にその方法を学び実践しなければ、悲劇がなくなる日は来ないことでしょう。
日本人はまだまだ、安全を軽視し、愛情をはき違えている部分が多いと感じます。クルマの中で子供の機嫌が良いことを優先し、チャイルドシートに乗せないこと。「ちょっとそこまでだから」と手間を省くこと。泣き止まないから、寝てしまったからと、抱っこしたまま乗ること。万一の時、それが致命傷になることを自覚して欲しい。本当の愛情は何かということを、今一度考えて欲しい。それを地道に伝え続けていくことが、私たちの使命であると改めて実感した勉強会でもありました。
最後に、貴重な機会をくださったタカタ株式会社に感謝し、この経験を今後の活動に生かしていきたいと思います。ありがとうございました。