中~大排気量クラスをカバーする新CVT
=効率アップと楽しさ追求=
日産系のトランスミッションメーカーであるジヤトコ主催によるAJAJ会員向け最新CVT勉強会が2013年1月21日に新横浜にあるジヤトコのグローバル・サテライト・オフィス事務所で開会されました。
ジヤトコの勉強会というか工場見学会は、昨年3月にもメディア関係者を対象に開催されていますが、今回はAJAJ会員向け限定に、主に最新CVTであるCVT8の話を中心に聞きました。
そもそもジヤトコは会社名が”ジャトコ”てはなく”ジヤトコ”です。会社名を発音するときにはジャトコと発音する人が多いですが、正確にはジヤトコです。同様の例にキヤノンがあります。ジヤトコと表記するようになったのは、2003年4月に三菱系のダイヤモンドマチックと合併して以降とのことでした。
元々は日産自動車系のトランスミッションメーカーで、古くはフォード&マツダと提携していた時期もありますが、その提携を解消した後、三菱自動車のトランスミッション部門を統合するなどして現在に至っています。現在は日産が75%、三菱が15%、スズキが10%の出資比率になっています。
スズキのワゴンR、日産のマーチ、三菱のミラージュなどに副変速機付きのCVTが採用されているのはこのためです。
勉強会では最初に薄葉 洋副社長の挨拶がありました。薄葉さんは元日産自動車の技術者でエクストレイル用のクリーンディーゼルの開発なども担当し、当時の記者会見で説明されていたのを覚えています。
薄葉さんがヨーロッパの自動車技術の会議に出席したところ、最近ではヨーロッパでもデュアルクラッチばかりでなく、CVTにも関心が高まっているのをひしひしと感じたそうです。ヨーロッパの自動車メーカーからもサプライヤーからもいろいろなアプローチがあったとのことでした。
次いで経営企画部の田中径子広報担当部長からジヤトコの紹介とCVTの歴史についての概略説明がありました。ちなみに田中さんも以前は日産自動車広報部に在籍されていましたから、顔を合わせたことのある会員も多いかと思います。
ジヤトコではCVTを中心に、FF用、FR用のATやハイブリッド車用のトランスミッションなど、さまざまなタイプのトランスミッションを生産し、現在では年間350万台近い台数を生産しているとのことでした。
最新のCVTであるCVT8についてはプロジェクト推進室の岡原博文主管から説明がありました。岡原さんもやはり日産自動車出身の技術者で、最初の5速ATなどを担当したことがあるとのことでした。
ジヤトコではいくつかあったCVTを、軽自動車から1800ccクラスまでを対象とするCVT7と、最新のCVT8の2機種に絞ろうとしています。
CVT7はいわゆる副変速機付きCVTで、CVT8は2000ccクラスから3500ccクラスまでを受け持つATということでした。大きく2機種に絞ることで機種ごとの生産台数を増やし、生産効率を改選してコスト競争力を高めていくことが大きな狙いとのことでした。
CVT8の開発コンセプトはワイドレンジ化による低燃費と動力性能の両立、フリクションの低減による低燃費化などにあるとのことでした。