■ボッシュの自動運転の取り組み…いつまでにどうなる?
では、自動運転に向けて、ボッシュはいつまでにどのようなことを行っていくのか。まず近々、トラフィックジャムアシストを実現させるという。これは、カメラやレーダーなどを使った、渋滞時などのある限定したシーンに対して自動運転化するものだ。ごく低速領域、時速50キロ以下の渋滞に限定して、車線をキープしながら、アクティブクルーズコントロールなど使い、ストップ&ゴーをスムーズに実現するシステムを開発している。ボッシュによると2014年内にある自動車メーカーから導入される予定だ。
その次のステップとしては2016年に実現しようとしている、インテグレートクルーズアシストだ。これは高速道路や複雑な車線を持つ大きな道路においての自動運転システムだ。目標車速は高速で時速130kmまで。トラフィックジャムアシストとの違いは、カメラを使って標識認識をして、それによって車速を調節する。現状のACCはあくまで前にクルマがいることが前提で車速を調整するが、このインテグレートクルーズアシストを使えば、前にクルマがいなくても、標識の情報を用いて、その道路環境に合った適切な車速をキープしながら運転できる利点があるとのことで、これが実現出来れば完全自動運転にかなり近づくことになりそうだ。
そして、2020年ごろには実現したいとしているハイウェイパイロット。基本的にはサラウンドセンシングにより、前後左右をセンサーで取り囲み、360度周りの環境をウォッチしながら実現するシステムだ。大きな特徴としては、ナビゲーションに行先を設定し、高速道路上であれば、自動で出口まで運んでくれる、ドライバー介入不要の自動運転だ。必要に応じて、前にクルマがいて邪魔な場合には車線変更する機能もある。
これら実現のためには、情報を踏まえた意思決定機能(例えばどのようなルートを選択するかなど)の最適化をはじめ、レーダーやカメラの精度アップなど解決しなければならない様々な課題が数多くある。しかし、“究極の安全は自動運転にある”といわれるように、積極的な安全性向上への取り組みは必要であるとともに、自動車を運転するという楽しみの両立に向けたボッシュの今後の活動に期待したいと思う。
■参加者(敬称略、五十音順) |
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有元正存、有山勝利、飯田裕子、今井優杏、内田俊一、岡島裕二、加瀬幸長、川端由美、川上完、日下部保雄、工藤貴宏、菰田潔、近藤暁史、佐藤久実、瀬在仁志、高山正寛、近田茂、津々見友彦、中村孝仁、西村直人、堀越保、松井孝晏、松下宏、森川オサム、山崎公義、山崎元裕、吉田由美 |