交通安全を促進する活動のひとつとして、AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)が毎年実施している「母と子の楽ラク運転講習会〜お父さんもご一緒に〜」が10月25日と26日の2日間に渡り開催されました。
2009年からは、日本モータースポーツ推進機構が主催するモータースポーツジャパンと併催となり、今年で6年目を迎える同イベント。会場となったのは東京臨海副都心特設会場で、新旧さまざまなレースカーなどのデモ走行も行われたことや、両日ともに秋晴れの中で実施できたことで、土日合わせて10万人以上の来場者が訪れました。
毎年、この講習会を受講してくれるお客さんもいるほど、恒例のイベントとなってきている「母と子の楽ラク運転講習会」は、多岐に渡るプログラムが用意されています。
“急ブレーキ体験&ESCデモンストレーション”“楽ラクパーキング練習”“ロールオーバーシミュレーター”“タイヤの空気圧講習”“チャイルドシートの効果と急ブレーキ同乗体験”“チャイルドシート相談コーナー”“死角の確認”など計8つの項目があり、それぞれのコーナーに自動車ジャーナリストの担当がおり、安全運転をするために重要となる項目を効果的にレクチャーします。
メインプログラムとなっている“急ブレーキ体験&ESCデモンストレーション”は、路面に水を撒いたウェット路で急ブレーキを踏んでもらいABSの効き方と効果を体感。そしてブレーキを踏みながらABSを効かせてハンドルを切ってもらうことでESC(横滑り防止装置)が、どのように作動するかも合わせて経験できるプログラムです。
一日に四回のデモンストレーションが組まれていて、体験するには予約が必要なため、早くから会場に訪れるお客さんの姿も見受けられました。
また、横転体験によりシートベルトの有効性を知ることができるロールオーバーシミュレーターや、苦手な人が多い縦列駐車なども人気を集めていました。
通常では有り得ないことをシミュレーターで体験したり、実際にステアリングを握って上手に運転するポイントを知れるコーナーなど体験型の項目が複数組まれているのが「母と子の楽ラク運転講習会〜お父さんもご一緒に〜」の特徴になります。
私が担当した「死角の確認」では、乗用車と大型車(トラクター)、ミニバイクの3台を用いて、それぞれの車両にはどこに死角があるのかを知ってもらうプログラムです。実際に3つの車両に乗ってもらって、どこが運転席から見えないのかを確認してもらいます。
参加した大人の方のほとんどは、乗用車を普段から運転しているそうですが、実際に車両を並べてみることで、改めて死角の多さに気付いてもらえました。特に、乗用車の左ミラーで見える範囲は想像以上に狭く、車線変更などでは目視の必要性があることを覚えてもらえたのは良かったです。
滅多に乗ることができないトラクターは、小さいお子さんから大人まで人気があり、多くの方が試乗していました。乗用車とは比べ物にならない高さの運転席や、大きなハンドルなどトラクターの魅力を味わいつつも、どのようなところが死角になるのか、そしてドライバーからはどんな視線で見えているのかを知ってもらえたことは、事故防止の意味でも有意義だったと思います。
毎年、多くの参加者に交通安全や上手に運転することを啓蒙している講習会ですが、東京臨海副都心特設会場に来場している人からすると、まだごく一部の人に限られています。予約制の項目を除けば、受講する人が増えても対応できるはずなので、事前の告知や会場での周知などが必要だと感じました。