曙ブレーキ勉強会 その1

開催日:2015年12月16日
場 所:曙ブレーキ本社(埼玉県羽生市)

2015年も押し迫った12月16日(水)、曙ブレーキ工業にご招待いただき、同社の事業内容紹介などを中心しとした勉強会が開催された。

会場となったのは曙ブレーキ工業の本社である埼玉県羽生市の「Ai-City(アイ・シティ)」(グローバル本社は東京都中央区)で、31名の会員が参加。同社のご厚意により20名の会員が東京駅からの送迎バスを利用しての参加となった。

曙ブレーキ 信本久隆社長勉強会はまずホールにて同社社長の信本久隆氏の挨拶から始まった。同社の基本的情報のほか、歴史やモータースポーツをはじめたきっかけなども紹介された。自動車メーカーに納入する部品をはじめとした純正部品を中心に製造していた曙ブレーキがモータースポーツに参入するに当たって最初にチャレンジしたのが2001年から始めたマウンテンバイクであったこと、2006年にはニュルブルクリンク24時間に参戦、2007年からはマクラーレンにブレーキシステムを提供しF1に参戦。当時「高尾山に登ったこともないのにエベレスト登頂を目指す」と揶揄されたエピソードを語り、笑いを誘った。

曙ブレーキ勉強会 風景その後、広報部の新井良夫氏より現在の曙ブレーキ工業の会社概要についての説明があった。曙ブレーキ工業は自動車用ブレーキ装置を中心に、新幹線やフォークリフト、エレベーターのブレーキなども手がけていること。ディスクブレーキとドラムブレーキの装置の製造が事業の50%を超えること、北米地域の製造が54%に上ることが紹介された。またメーカー別納入先はGM、日産、トヨタの順でこの3社で半数を超えることも紹介(データはいずれも2014年のもの)された。その後、国内外の拠点の紹介も行われ、東南アジアの拠点が充実していた。

ホールでの説明が終了した後、参加者を3組に分けて開発部門の見学が行われた。ホールから開発部門に異動する際には事務系のオフィスの中を通過した。事務系オフィスは1フロアすべてが仕切りのない構造で、個人が決まったデスクを使わないフリーアドレス制となっていた。

開発部門ではブレーキの「鳴き」の解析シミュレーションを行う部署、実際にブレーキの性能を計測するベンチなどの見学に加え、世界各国で使われているさまざまなタイプの自動車用ブレーキシステムの展示部門も見学させてもらった。この展示部門はカテゴリー別に世界的に販売上位となっている車種のうち、曙ブレーキ製ではないブレーキが展示されてた。壁面には各ブレーキの特徴の解説も張り出されている。この展示は来場者にむけたものではなく、社員がさまざまなブレーキについての知見を広められるようにしたもので、我々が撮影することは許されなかった。

曙ブレーキ 製品Ai-Cityでの見学を終えた我々は併設されるブレーキ博物館の「Ai-Museum(アイ・ミュージアム)」に移動し、同所を見学した。「Ai-Museum」は歴史ゾーン、製品展示ゾーン、高性能ブレーキゾーンに分かれており、ブレーキと同社の歴史を感じながらさまざまなブレーキについての知識も学べる施設。実際に触って動かせる展示物も多くある。この「Ai-Museum」は団体での見学が可能なほか、毎週水曜日の14時~16時は一般公開も行われているとのことだった。

すべての見学を終えた後、「Ai-Village(アイ・ビラージュ)」と呼ばれるグッドデザイン賞も受賞した研修施設に移動。「Ai-Village」は「真のグローバル企業」を目指す曙ブレーキがグループ内の人財交流を深めるための研修センターとして、2012年12月に竣工した施設で、その存在感に多くの会員が感動していた。「Ai-Village」では質疑応答が行われ、終了時間となっても質問が終わり切らないほど熱心さだった。

■参加者(敬称略、五十音順)
会田肇/有元正存/石川真禧照/一条孝/内田俊一/岡島裕二/加瀬幸長/加藤順正/川端由美/日下部保雄/工藤貴宏/菰田潔/鈴木健一/鈴木直也/スーザン史子/瀬在仁志/高山正寛/田草川弘之/竹岡圭/近田茂/中川和昌/中村孝仁/萩原秀輝/伏木悦郎/堀越保/松下宏/丸山誠/森川オサム/諸星陽一/吉田由美/米村太刀夫