BMWグループの電動化技術（eDriveテクノロジー）勉強会

BMWの電動化技術の総称を、同社はeDrive（イードライブ）テクノロジーと名付けています。欧州車主要メーカーはCO2排出量削減のため、こぞって電化へのあらゆるアプローチを続けているのですが、BMWとて例外ではありません。

その技術を勉強する会が、2015年9月8日「BMW i Megacity Studio（ビーエムダブリュー・アイ・メガシティースタジオ）」にてBMWジャパンのお招きにより開催されました。

勉強会のまさに1週間前にオープンしたてホヤホヤだった「BMW i Megacity Studio」は、BMWが世界で初めてオープンさせたBMW iのブランド・ショールーム。虎の門に位置し、BMW iを身近に体感できるアンテナショップとしてiシリーズの展示、i3の試乗、iシリーズのライフスタイルアクセサリー販売、カーシェアリングの提供などを行っています。また、建屋のルーフにはソーラーパネルを敷き詰めていて、試乗のためのi3の充電用として使用するのだとか。余剰電力はショールームの電源に利用するのだそうです。

ショールーム内はiブランドらしくクリーンなイメージで統一されており、再開発めざましい虎の門エリアのなかでもひときわ目をひくもの。周辺でお勤めのみなさんには、気になるショップになるのではないでしょうか。

そんな「BMW i Megacity Studio」で勉強させていただいた内容は、もちろんiシリーズ！……じゃなくて、BMWコア・ブランドのことでした。

秋に受注が始まり、2015年内にデリバリーが開始されるミドルサイズSUV「X5」に追加されるプラグインハイブリッドの「xDrive 40e」と、今後のBMWが考えるエネルギーフローに関してと言うのがそれ。

まず、BMWドイツ本社の開発部門における同モデルの開発責任者ゲルハルト・ティール氏によって、「X5 xDrive 40e」に関しての説明がなされました。

BMWは高効率な環境技術の総称を「EFFICIENT DYNAMICS（エフィシエント・ダイナミクス）」と呼んでいます。それは

1. 高効率な車両設計
2. 効率かつダイナミックなパワートレーン
3. インテリジェントなエネルギー・マネジメント

という3本柱からなるのですが、まさにプラグインハイブリッドこそがそのコンセプトに完璧にマッチしているのだとか。

さらに、今後のBMWコア・ブランドでも、システムをモジュラー化し、すべてのセグメントにプラグインハイブリッドを展開することも話されました。まずは3シリーズ、2シリーズ、そして7シリーズというのが流れ。3シリーズは日本導入ラインナップにディーゼルエンジンを素早く用意した前例がありますから、プラグインハイブリッドによってさらに用意された豊かな選択肢に、ユーザーは嬉しい悲鳴を上げるのではないでしょうか。

次に、エフィシェント・ダイナミクス広報担当のマンフレッド・ポッシェンリーダー氏からは、BMWの電動化技術、将来のプラグインハイブリッドのロードマップ、そして燃料電池に関しての説明がなされました。

BMWは感性を刺激する電動駆動システムとして「Power eDrive」というコンセプトを掲げています。これはプラグインハイブリッドと電気自動車の長所をイイトコ取りしたようなもので、日常走行のほぼ全域をモーター走行で賄い、高速道路や高負荷走行のみでエンジンを使用するというもの。BMWにとって「長距離を走破できる」というのはとても重要で、i3サイズのバッテリーにエンジンを組み合わせ、より長い走行距離を網羅するようにするとか。

さらにその先に、BMWがトヨタと提携している「次なるeDrive」が存在します。

それが水素。燃料電池車です。

小型～中型車までをカバーする技術として開発がすすめられていて、これは300～400kmという一定の生活圏を走る人のための技術という棲み分けがなされています。

いずれもこれから目を離せない技術ですが、注目は「BMWらしさ」がどう表現されてくるか。すぐそこの未来なだけに、今後を期待して震えながら待ちたいと思います。