① 清宮 技術生産統括兼IT基本本部長(現社長)よりタイヤ事業進捗について説明。
消費財/生産財の売り上げは半々ぐらいでBtoBの製品が高付加価値商品を上回っている。
今後はADVAN、GEOLANDER、WINTERタイヤの強化を進め、2023年は北米向けGEOLANDARの販売で107%を目指す。
またADVANは誕生45周年を迎え、100%再生可能エネルギーで生産する。
力を入れているオフロードタイヤの生産力を上げる。特にインドの生産会社は利益に大きな貢献をしている。またORタイヤの大手、TERELLEBORG WHEEL SYSTEMを買収しオフタイヤ部門を充実させている。
一方、環境への取り組みでは設備の最適化と効率化を進め、再エネの自給化を目指す。三島工場ではすでに達成している。
現在730億の売り上げ高は1兆円を目指している。
② 研究開発HLC規格のタイヤ
研究開発・桑島雅俊氏
HLC(High・Load・Capacity)はCASEに対応した高付加価値タイヤを意味する。EVに必要な静粛性、低転がり抵抗、高負荷への要求に対応する。重量は内燃機からPHEVに移行すると350kg、さらにバッテリーEVでは150kg増加する。
負荷荷重は重量、内圧、接地面積が密接に影響し、タイヤの負荷能力を上げるには空気の体積を増やすか、空気圧を増やすことでロードインデックスを増やすことができ、この数字が大きいほど負荷能力が高くなる。
HLC記号はサイズの前に記入されている。高空気圧より負荷能力が高いのが特徴。
問題点としては耐久性の悪化があるが、プロファイルの変更で最適解を得る。また設計の最適化で応力を低減化できる。例として現行形状では91だったが新形状では113まで上げることがタイヤ形状を変更するだけで可能となった。
③ EV車の摩耗について
摩耗については実車とシミュレーションを組み合わせて行った。EV車は荷重が大きく、回生ブレーキを使うことが大きな摩耗につながっている。新しい形状を使ったタイヤでは2輪駆動、4輪駆動とも大きな効果があることが確認されている。
④ 材料の説明、尾ノ井氏 材料開発
CO2削減では2030年に現在より38%のアップを目指して活動している。再生可能なリサイクル部品を30%以上を、また循環性のあるバイオマス資源をトレッド、サイド、骨格にも使用する。
一例を上げると転がり抵抗やウェット性能に欠かせないシリカはもみ殻を燃やして灰にしてから化学処理を行って作られることが想定される。
合成ゴムの代わりに天然ゴムを使い天然由来の松脂や柑橘類が考えられる。
スーパーフォーミュラへワンメイクタイヤとして供給しているタイヤもカーボンニュートラルを目指している。まだバイオマス製品は究極のグリップには届かないが今後技術開発をして採用する予定。