2009 AJAJ & Hondaミーティング 午前の部

開催日:2009年7月30日
場 所:ツインリンクもてぎ
カリキュラム説明風景
ツインリンクもてぎに9時集合。30名のA.J.A.J会員とHonda広報部の方々が参加した。イベント前には用意されたカリキュラムの説明が行われた。

雲ひとつない、とまではいかないまでも、前日の天気予報にあった雨マークを見事に裏切る好天に恵まれた7月30日、「ツインリンクもてぎ」にて『2009AJAJ & Hondaミーティング』が開催された。第2回目の開催となる今年は、昨年のサブタイトルである「クルマであそぼ! 2輪もあるよ!」からスケールを大幅に拡大。福祉車両や耕運機などの「汎用モデル」の試乗&体験が追加されたほか、ツインリンクもてぎにある「ハローウッズ」でのアウトドア体験も織り込まれ「クルマであそぼ! 2輪、汎用もあるよ!」に改名、装いも新たに開催された。A.J.A.J会員(参加者30名)にHonda広報部の方々が加わった総勢40名以上が8つのチームを形成し、丸一日、数多くのイベントを体験した。

当イベントの趣旨は、Honda 広報部の方々とA.J.A.J会員が「ツインリンクもてぎで一日、乗り物の持つ楽しい側面を再認識する」というもの。文筆活動を生業としている会員たちにとって長引く出版不況だけでも頭が痛いが、昨今では顕著となっている環境問題への対策が追い打ちをかけ、混沌とした日々を送ることも少なくない。今回のイベントはそうした日頃のストレスをHondaが手掛けている様々な乗り物に“触れ”、そして存分に“楽しむ”ことで、明日への活力と近い将来へのヒントを見出そうという願いが込められている。

カリキュラムはその内容が午前と午後で大きく分けられた。午前はクルマ&2輪、午後が汎用+アウトドア体験、そしてイベント恒例となりつつある「カート1時間耐久 団体戦」で締めくくられる。

午前の部では「アクティブセーフティトレーニングパーク」内で、4輪と2輪(バイク)の安全運転講習が開催された。4輪では、いわゆるプリクラッシュセーフティ技術である「CMBS」と、横滑りを抑制する装置である「VSA」(≒ESP)を改めて体感した。任意のスイッチ操作によりオン/オフができる「VSA」は、雪道や凍結路などを滑りやすい路面において物理的な限界点を超えない範囲で車両の安定性を向上させることができるが、今回は「アクティブセーフティトレーニングパーク」に設置された低μ路(摩擦係数0.2~0.4程度)において、その機能の優位性を再確認することができた。

フェイズ走行風景
ニューカマー「フェイズ」。クラスの平均車重から20kg以上軽いボディがセールスポイント。ボディ後半の動きが軽いのでスポーツライディングも受け付ける。

2輪ではロータリー式4速トランスミッションとPGM-FIを搭載した「スーパーカブ110」、世界初の2輪車用エアバッグと外光を受けても見やすい透過反射型TFTカラーディスプレイを採用のナビゲーションシステムを搭載した水平対向6気筒1800cc「ゴールドウイング エアバッグ・ナビ」のほか、軽量化を図った250ccのビッグスクター「フェイズ」など総勢13台が用意された。注目は世界初のスーパースポーツモデル用電子制御式“コンバインドABS”を搭載したMotoGP直系マシンである「CBR600RR」だ。“コンバインドABS”とは、ハードなブレーキング時に発生する過剰な前輪荷重を制御し後輪の接地圧を確保(コンバインド制御)することで最適な制動力を発揮させ、かつ前後輪のロックを防ぐ(ABS)ことを目的とした先進安全装備のひとつ。クルマでは馴染みの深いABSだが、前輪(右手のレバーを握ると作動)と後輪(右足のレバーを踏むと作動)に分割されたブレーキ系統を巧みに操ることで適正な制動力が得られる2輪にとって、こうした制御は悲願のひとつだった。

“コンバインドABS”がもたらしてくれる安心・安全のノリシロはスポーツ走行時だけでなく、急制動時にも非常に効果的で追突事故や転倒事故の軽減効果も期待されている。同時に試乗した従来からのABSを搭載するモデルでは後輪が浮き気味になってしまう急制動時でも、“コンバインドABS”を装着したモデルはクルマのブレーキペダルのように思いっきり右足レバーを踏み込み&右手レバーを握るだけで、車体全体が沈み確かな制動力が得られる。いわば保険的な先進安全装備による高い安心感は、これまでの2輪にはなかった部分であり、同時にこのことはASV(2輪はASV2の時代から参画)の領域が4輪に比べて狭かったことを示している。しかし、こうした装備は自信をもって世界に発信できるものであり、将来に渡り日本車の高い技術力をアピールする絶好のアイテムでもある。