2009 AJAJ & Hondaミーティング 午前の部

ちなみに国内における電動アシスト自転車と2輪の新車販売台数はともに30万台(08年)と肩を並べているが、前年比20%以上の伸びを示す”電チャリ”に対し、2輪は急激な下降線をたどった末の数字である。多額の研究開発費と多くのライダーたちの意見の結晶である“コンバインドABS”のような先進安全装備がこの先どうなっていくのか心配でならない。クルマ社会を檜舞台とするA.J.A.Jだが、モータリゼーションという少し大きな枠組みで捉えてみれば、実際の交通環境で存在する“見えない2輪との障壁”は消滅していくのではないかと思う。「免許がないから……」とは言わずに、同じ道路を共有するわけだから、2輪に対して、もっといえば大型車に対してもおおらかな心で接してみてはいかがだろうか。そうすれば、多額の血税が使われているASVや、その大枠であるITSの分野に対しても見る目が違ってくるのではないかと思う。

無限&Honda Access デモカー
北ショートコースには無限とHonda Accessのパーツを装着したデモカーが総勢8台用意されていた。無限とHonda Accessのシビック・タイプRが一番人気!

10時を20分ほど回ったところでイベントの舞台は「北ショートコース」に移る。ここではHondaを代表するカスタマイズブランドである「Honda Access」と「無限」、それぞれのパーツが装着されたコンプリートカーを堪能した。フォトジェニックな外観を作り出すドレスアップパーツだけでなく、ローダウンサスキットやスポーツマフラーなど機能パーツも交換された車両が用意されていたので、普段、ノーマル車両を中心に試乗している会員にとっては目から鱗ではなかったのではないだろうか。こうした機能パーツは性能向上だけなく、アフター市場で販売されているリプレイス用品にはない「Honda Access」や「無限」独自の充実した補償制度があるので購入後も安心だ。

ここではシビック・タイプRが一番人気だった。「Honda Access」と「無限」がそれぞれ用意していたのだが、圧巻は無限仕様。「無限RR」とネーミングされたシビック・タイプRの価格はなんと4,777,500円! ベースのタイプR(2,835,000円)からじつに1.68倍アップのプライスタグがつけられている。軽量化では定評のあるシビック・タイプRから、さらに31.86kgもの過酷なダイエットをした戦闘マシンだ。レーシングスペックマシンだけに、レーシングカートやミニバイクも走る北ショートコースでは、正直持て余し気味だったものの、8000rpmを大きく超えてもすさまじい力量を感じさせる「RR」用K20A型ユニットには武者震いすら覚えた。

無限インサイト走行風景
北ショートコースでのひとコマ。無限製のパーツで身を固めたインサイトが軽快にコーナーをクリアする。クルマの売れ行き同様、パーツの売れ行きも右肩上がり。

その後、体制を立て直し「アクティブセーフティトレーニングパーク」に再度集結。午前の部のハイライトはインサイトによる「チーム対抗燃費大会」だ。ツインリンクもてぎの外周路をつなぎあわせた1周約5km程度の特別コースを制限時間80分という制約のなか周回し燃費を競うもの。1チーム3名乗車/1周15分以内(1分遅れるごとに燃費0.1km/lのペナルティ)/エアコン25℃/ECONスイッチ・オンなどJoy耐(9月5~6日ツインリンクもてぎの本コースで開催。ニシムラも6度目の挑戦。応援よろしくお願いします!)真っ青の厳しいレギュレーションも課されている。こうしたストイックな環境下での燃費競争ということで、ドライバーの技量が大きく問われることとなる。

インサイト燃費大会 レギュレーション説明
インサイトによる燃費大会。ここでの戦績が午後のカート耐久でのグリッドに影響するとあって、事前のレギュレーション説明にも熱が入る。トップチームは20.4km/lを記録した。

日頃の媒体取材で培った燃費向上テクニックを自負する会員たちだが、相手が同業者となると、皆、一段と鋭い眼光で周囲を威圧(笑)しエコランに没頭! コースの途中ではドライバー交代の場所が2カ所設けられていて必ず交代をしなければならないのだが、その時に開閉するドアからせっかくガソリンを使って冷やした車内の冷気が逃げてしまうことが判明。レギュレーション上、エアコンの使用が必須であったことに加え、開催時刻の気温は30℃以上と立派な真夏日。おまけに湿度も異様に高く、わずかな冷気も無駄にしないことが勝利の鍵であることを知ったのは4周目の途中だった……。

結果は、平均燃費20.4km/lを記録した菰田チームが1位、2位は同一燃費20・1km/lを記録した菊谷チームと岡崎チーム(ニシムラはココに在籍)となった。おもしろかったのは、わずか5km程度のコースながら、ボトムチームとの差が5km/l弱もついたこと。ちなみに我々はインサイトのインパネ中央にあるマルチインフォメーション・ディスプレイをECOガイド画面に固定し、アンビエントメーターは平坦路グリーン/登坂路ブルーグリーンで走行。ブルーを出したらお昼抜きというローカルルールまで持ち出した! 併せてモーターアシストが入る下限を多用し、かつ車速を一定以上に保つ。……ちょっと疲れたが、ここでの順位が午後のメインイベントである「カート1時間耐久 団体戦」でのグリッドになるというだけあってハリキリマシタ! チーム全員で残した好成績に一喜一憂し、お目当てのお昼ご飯を頬張る我がチーム。その「カート耐久」で思わぬ貧乏クジが待っているとは知る由もなく……。

エコラン風景
安全に“エコラン”を楽しむの図。終始スローペース、平坦路では軽快に飛ばすなどアプローチはさまざま。ちなみにインサイトの開発陣曰く60km/h前後がベスト燃費だとか……。

午後のイベントは後任者のレポートに譲るとして、来年もこうした体感イベントによる楽しい時間を会員の皆さんで共有できるよう、日々の努力を忘れないようにしていきたいと思います。ありがとうございました。