2008 AJAJ&ホンダ広報部ミーティング その2

開催日:2008年7月22日
場 所:ツインリンクもてぎ

ツインリング茂木には、サーキット以外にも様々な施設があります。それは、1961年に造られた多摩テック、翌1962年にオープンした鈴鹿サーキットなど、ホンダが造るサーキットの伝統のようなものなのですね。つまり、単なる自動車競走用環状路だけではなく、家族連れや子供たちも楽しめる遊園地的な施設が併設されているということです。

そんな施設の一つとして、ホンダはツインリング茂木の中に、「ホンダ コレクションホール」と言う自動車博物館を設けました。この「コレクションホール」の基になったのは、鈴鹿サーキットに併設されていたミュージアム(ボーリング場跡を使ったもの)で、その所蔵車を茂木に移転して新たに「ホンダ コレクションホール」として、1993年にオープンしたものなのです。この旧い鈴鹿のミュージアムをご覧になった方々も多いのではないかと思いますが。

茂木に移ってからのミュージアムは、地上3階建ての大きな建物になりました。階数から言えば3階建てですが、実際には天井が高く、普通のビルでは6~8階建て位のボリュームがあります。鈴鹿の時の狭苦しさが無くなって、広々しています。各階がテーマ別に分かれた展示となっており、非常に見やすくなっています。また、別棟にはガラス張りの完璧なレストア・ショップも併設されていますから、モーターサイクルやクルマのレストア行程をつぶさに見学することも出来ます。簡単な試走路もあり、こちらではクラブ・イベントなどの開催も行われています。さらに加えて、コレクションホールの所蔵車の90%以上が動態保存であると言うことも注目して良いと思います。一口に動態保存と言いますが、単に動くだけでなく、デビュー当時の性能をほぼ100%出せるように整備されているのですから驚くほかはありません。英国で開催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードなど各地のクラシック・イベントに参加して、当時のままの速度とエンジン・サウンドを観客に堪能させているんです。たとえば、F1マシンなどは、材質の劣化なども当然あるわけですが、場合によってはシリンダー・ブロックまでも全く新らしく鋳造し直すほどだそうです。

正面玄関を入るとかなり広いエントランス・ホールがあり、常時主要なモデルが数台展示されています。この展示は定期的に入れ替えが行われているので、何回訪れても飽きることがありません(今回は1965年にメキシコGPで優勝したRA272や1960年にスペインGPで優勝したRC143などが展示されていました)。入口から直ぐのところにある巨大なクロームの2重のリングを象ったモニュメントは、ホンダのルーツであるピストンリングの製造とモーターサイクルを象徴しているものです。今日に至るホンダとその創業者である本田宗一郎の魂と言うところでしょうか。右手の壁際には、「白いタンクに赤いエンジン」と言うキャッチコピーで人気を博した自転車取り付け用エンジン、初代の「カブF」(1952年)とその梱包用段ボール箱、今日ではホンダのもう一つの柱となっている汎用エンジンの第一号機(1953年)、125㏄級の単気筒エンジンを搭載したベンリイJ型(1953年)などが展示してあります。これも定期的に入れ替え展示されます。左手奥にあるミュージアム・ショップは後回しにしましょう。僕が此処に入り込むと、しばらく出て来なくなることは間違いありませんから。

コレクションホール見学
ホンダの歴史的なクルマとオートバイを展示したホンダ コレクションホール。2人のピーターも1.5リッター時代のホンダF1やスーパーカブに見入っていた。

そこで、まずは、右手の奥のイベント展示を見ます。今年は「ホンダ スーパーカブ」の発売50周年ということですので、「スーパーカブの50年展」が行われています。特別の展示スペースには、1958年に発売された最初のスーパーカブC100から1962年に売り出された廉価版のC240ポートカブなど歴代のモデルが20台ほど展示されていました。最も新しい今年型のモデルは空席になっていたのですが、これは7月末に予定されているカブ発売50周年記念イベントで改めて展示するのだそうです。ホンダもなかなか粋なことをやるものですね。この展示を見て驚くのは、初号機から最新型まで、50年に渡って基本的なスタイルが全く変わっていないことなんです。これぞスーパーカブ!と言うところでしょうかね。尤も細かく見れば、ホンダらしく次々と絶え間なくバージョンアップはしているのですが。